こんにちは”のり”です。

夏は西日の窓から入る日射がキツイですね。

さて、今回はサッシ(窓)です。

坂田木材では標準がYKKAPのAPW、Low-E複層樹脂サッシです。

昔からよくある引違い窓の他、最近ではすべり出し窓も増えていますが、どんな特徴があるのでしょうか。

この辺りを調査すべく、YKKAPのプレゼンテーションルーム長野で行ってきました。

今回は、”のり”が考えるサッシを選択する3つのポイントをまとめておきます。

ポイント①:サッシの種類(形状)・使い勝手

Reborn(リボーン)の設計プランでは、間取り(図面)と同時に各サッシの種類まで具体的な提案がありました。

プランで指定されたサッシは「引違い窓」、「すべり出し窓」、「縦すべり出し窓」があります。

プレゼンテーションルーム長野には、これらのすべての種類のサッシがあり、見た目、使い勝手を確認してきました。

引違い窓、引違いテラス戸

「引違い窓」は、よくある窓ですね。腰のあたりから上に70cm~120cmくらいまであり、左右に開閉する窓です。

引違い窓

「引違いテラス戸」も同じく左右に開閉しますが、こちらは人が外に出ることを前提に床から2mくらいある戸です。

内側、外側に物が置いてあっても開閉できます。

人が出入りしたり、物が出入り(?)したりするときには、この引違い窓・引違いテラス戸が良さそうですね。

デメリットとしては、真ん中の部分の気密性が低いことがあります。

日本では当たり前に使っている引違い窓ですが、欧米ではほとんどないようですね。

すべり出し窓

「すべり出し窓」という言葉は、いままで聞いたことがありませんでしたが、窓の下を外側に押して窓を開ける形状のものです。

すべり出し窓

高い位置に横長のすべり出し窓を取り付けられているのを見かけますが、大きいサイズを腰のあたりに付けることもあるようです。

特徴としては気密性が高く、少しくらい雨が降っても家の中に吹き込まないというメリットがあります。

また、開ける確度を制限できるので、引違い窓に比べ防犯上も優れています。

デメリットとしては、網戸が内側にきてしまうということ。

そのため、窓を開けるときには、

「窓を開ける」→「網戸をする」

という操作が必要になります。ここで問題が発生します。窓を開けてから網戸をするまでに虫が部屋の中に入り込んでしまう可能性があります。

窓を閉めるときも同じ問題があります。

虫の多い田舎では気になりますね。困った網戸問題!

縦すべり出し窓

「縦すべり出し窓」は「すべり出し窓」の縦バージョンです。

縦すべり出し窓

窓の横についてレバーを外に押し出して開けます。

すべり出し窓と同様に、気密性が高いです。

窓の中では通気性が一番高いですね。風が窓にあたって家の中に呼び込みます。

縦すべり出し窓は、右を押して開けるパターンと、左を押して開けるパターンがあります。どちらにするか、周りの環境をみて決めないといけません。

同じ壁に2つ縦すべり出し窓を設置する場合、左側のサッシは左押し、右側のサッシは右押しとすると、風が左右どちらから吹いてきてもたくさんの風を部屋に取り込むことができます。

網戸問題は、この縦すべり出し窓でも同じことがいえます。

FIX窓

FIX窓は開閉できない窓です。

fix窓

通気は全くできませんが、採光のため、外の景色を見たいために設置します。

窓が開閉できないため気密性は一番高いですね。

「高気密住宅なので、1年中窓は開けない、でも採光は欲しい」

っていう人にはFIX窓がおすすめです。価格は安いし、網戸もなくスッキリしています。

また、すべり出し窓と併せて連窓として使うタイプもあります。

ツーアクション窓

ツーアクション窓は、内倒し、内開きの二通りに窓を開けられる優れた窓です。

ツーアクション窓

他のメーカーではドレーキップ窓とも呼ばれ、欧米ではよく使われているようです。

一番優れていると思うのは、すべり出し窓の網戸問題が解決されているところです。

引違い窓と同じように、窓の外側に網戸がくるので、網戸をした状態で窓の開閉ができます。

デメリットは他の窓に比べ価格がやや高いということと、カーテンの設置が問題になるかもっていうことです。

内側に窓が開くので、カーテンと窓が干渉してしまいますね。

あとはYKKAPのツーアクション窓の場合、カラーバリエーションが少なく、周囲の色とバランスが悪くなる可能性があります。

ポイント②:この位置にはこの窓!

ポイント①で説明した窓ですが、どの窓が優れているという訳ではなく、適材適所があるというのがポイント②です。

”のり”家のプランをもとに説明します。

南側の窓

”のり”家の1F南側は2つの掃き出し窓があり、いずれもウッドデッキに繋がります。

ウッドデッキでは洗濯物を干すのが主な使い方なので、開き戸では使いにくいです。

ということで、1F南側は「引違いテラス戸」です。

2F南側は、寝室・子供室があり、窓の外側に布団掛けを設置してもらい、そこに布団を干す予定です。

そのため、窓が外側に開く、すべり出し窓は使えません。

使えるのは、物が出入りできる「引違い窓」です。

南側は、Reborn(リボーン)Sさんのプラン通りで変更はありませんでした。

東側の窓

”のり”家は、東側が道路に面しており、人がちょこちょこ通ります。決して多くはありませんが。

採光と通気が目的ですが、外から見える部分もあり、あまりま引違い窓で開けっ放しにしたくはありません。

Sさんのプラン通り、すべり出し窓、縦すべり出し窓でまとめました。気密性が高いのもGoodです。

変更した部分は、グレモンハンドル(レバーで開閉)からオペレーターハンドル(ハンドルをクルクル回して開閉)へ一部変更しました。

なぜオペレーターハンドルへ変更したかというと、窓の位置が少し高く、妻・子供が開閉しにくいからです。

グレモンハンドルだと、ハンドルを持って、さらに外側まで手をのばす必要があり、危険性もあります。

オペレーターハンドルであれば、窓下にあるハンドルに手が届けば、クルクル回して開けることができます。

オペレーターハンドル

それからオペレーターハンドルの場合は、網戸をしたまま開閉できるので、先程の網戸問題が低減します。

解決ではなく低減と言ったのは、それでも網戸が内側にあるため、オペレーターハンドルで窓を閉じるときに、網戸にとまった虫の問題が解決されないからです。

実際に使うときは、網戸を「バンッ」と軽くたたき虫が飛んだのを確認して、窓を閉じるしかないのかな。

グレモンハンドルのときは、網戸を上から下、左から右へ閉めるロール式になります。窓を開けないときは、ロール式の方が網戸が見えていないのでいいんですけどね。

北側・西側の窓

1F、2Fともに窓は少ないですが、基本すべり出し窓(型ガラス:すりガラス)に変更しました。

北側・西側は隣家が接近しているため、引違い窓で開けると隣家から中が丸見えになってしまいます。

その点、型ガラスのすべり出し窓(縦すべり出し窓)としておけば、窓を開けても中が見えにくくなります。

それでも気になれば、カフェカーテンを付ける予定です。

2Fホール部分は採光のため、縦すべり出し窓+FIXの連窓としました。

結果的に、南側は引違い窓、その他は気密性の高いすべり出し窓・縦すべり出し窓になりました。

ポイント③:良い配置

ポイント③は「良い配置」です。

「良い配置」でまず思い浮かぶのが風の通り道ですよね。

東西南北に窓があり、風が流れると、春・秋には気持ちがいいかもしれません。

Sさんのプランでもこの部分が考慮されておりましたが、”のり”の間取り変更要望で、西側は窓が1つとなってしまいました。

もともと西部屋に住んでいたとき、夏の西日がキツイため、「西の窓は最小限にしたい」と考えていましたが。

「良い配置」のもう一つはデザイン性です。それも家の外から見た窓の配置です。

”のり”家の場合、東側道路のため、東側の窓の配置が整っていると良いですね。

”のり”はSさんの間取りをもとに窓を見直そうとし、当初は東側も変更する予定でした。

しかし間取りでは気づかなかった部分が、立面図を見ると気づきます。

Sさんのプランでは、東側の窓が整然と配置されていました。

1Fの窓の高さがすべて同じ、2Fの窓が1Fの窓の上にあり窓の幅が1Fと同じ。

「東側の窓、美しい配置です」

”のり”は基本的にデザインよりも性能・コストパフォーマンスを優先しますが、「この窓のサイズ・配置は崩したくないなぁ」ということで、東側はSさんのプラン通りとなりました。

北側道路では難しいですが、窓を配置に手を抜くと、外から間取りがわかってしまう家になってしまいます。

「あの家、1Fと2Fの間に窓があるね。・・・あそこ階段かな。」

「1Fの高い位置に窓があり、その横に小窓が・・・あそこ洗面とお風呂かな。」

まとめ

結構悩んだサッシでしたが、一応決まりました。

網戸問題以外に気になるところといえば、すべり出し窓のハンドルについて。

場所によってグレモンハンドルとオペレーターハンドルの両方あるというところです。どちらかに統一した方が使いやすい気もしますが、それぞれの場所での使い勝手・見た目を考えると分かれてしまうという結果です。

また、サッシの種類としてトリプルサッシという選択肢もありますが、まだまだ高い、冬の日射取得を考慮するとペアガラスの方が優れている場合も、ということで”のり”家はなし。

YKKAP以外のメーカーだと、北海道で売れているエクセルシャノンも良さそうです。

さて、話は変わりますが、日本のサッシは先進国の中でもかなり遅れをとっているようです。お隣中国、韓国以下だそうです。

日本建材・住宅設備産業協会によると、夏の暑さの原因の7割は窓、冬の寒さの原因の6割は窓らしいです。

がんばれ、ニッポン!!

本日も最後に、なぞかけ。

「サッシ」とかけまして、「防衛省」とときます。





その心は、どちらも「きみつ(気密、機密)」が重要です。

高断熱・中機密(スカスカ)の家にならないように。