こんにちは”のり”です。
住宅の屋根にパネルを載せ、電気を発電させる太陽光発電。
この太陽光発電は補助金、高い売電価格により普及してきました。
年々、売電価格が下がっていますが、それでも太陽光発電が載せる家が多いですね。新築の家を建てたあなたの知人の屋根にも太陽光パネルが載っていませんか?
ホクシンハウスやアルプスピアホームの規格住宅では太陽光発電が標準仕様となっています。
”のり”も太陽光発電を検討しましたが、積極的に採用する理由がなく、というか太陽光パネルを載せることによるデメリットに気づきました。
太陽光発電をしない7つの理由
①実質利回りはそれほど高くない
太陽光発電を勧める業者は、高い売電収入をアピールしてきます。
「太陽光発電により、毎年15万円の収入が見込めます!!」
住宅用(10kW未満)では余剰買取を10年間、固定単価で買い取ってくれます。
でも、11年目以降はどうなるのでしょうか?
11年目以降は、電力会社が電力を買い取る義務はありません。
買電価格と同じ金額で買い取ってくれるようになるという予想が多いようですが・・・。
7~8%近い高利回りを謳っている会社もありますが、メンテナンス費用を考慮すれば、半分以下になってしまうのでは。
実際に売電価格(単価)は、IRR(内部収益率)が3.2%となるように設計されています。
実質利回りは、Excelに初期投資額、将来のキャッシュフローを入力しIRR関数を使えば簡単に算出できますが、問題は、将来発生するであろうメンテナンス費用、11年目以降をどう見積るか。
”のり”もパラメーターを変更していくつかシミュレーションしてみましたが3%程度です。故障等により予定外の出費となれば更に下がります。
また、単純に初期費用と売電収入のみの差額を強調している会社もありましたが、将来得られる収入は現在価値に置き換えて計算する必要があります。
もう一つの計算方法、NPV(正味現在価値法)です。
こちらは将来のキャッシュフローをすべて現在の価値に割り引いてプラスマイナスどうかということ。
こっちの方が一般の人にとってはわかりやすいかもしれません。保守費用、故障の交換費用を考慮すると、それほど価値がないことに気づいてしまいました。
ゼロエネ住宅、ZEHの補助金がないと厳しいかな。しかし、今度は補助金申請のためにオール電化にしたり、HEMSを導入しなければならなかったり、申請費用がかかったり・・・結果、手元にいくら残るんでしょうか。
②パワーコンディショナーなどの電気機器の交換が必要
太陽光発電に必要な各機器は10年以上の保証が付いています。
10年後に壊れるかもしれないし、20年経っても壊れないかもしれない。
特にパワーコンディショナーは故障率が高いようです。
保証が切れた11年目にパワーコンディショナーが故障したらどうしますか?
また、高いお金を払って買い替え、いくらもらえるかわからない売電収入に期待することは”のり”にはできません。
かといって、故障したまま屋根に太陽光パネルが載ったままなのも嫌ですし、処分するにも費用がかかるし。
将来得られる売電収入にばかり目がいかないように、費用面の考慮も必要ですね。
③景観が損なわれる
先日「景観が無秩序に破壊された」というニュースがありました。
何によって破壊されたかと思ったら、事業用のメガソーラー発電所でした。
近隣の不動産の価値は下がり迷惑しているようです。
住宅であればそこまではないにしても、屋根いっぱいに太陽光パネルを載せているのは見た目に美しくないですよね。
片流れの屋根にして、太陽光パネルを目一杯載せているのを見ると「おいおい」って感じ。(片流れの屋根自体はかっこいいですよ。)
④屋根の塗装のとき余分にお金がかかる
最近の住宅に多いガルバリウムの屋根。
一般的なガルバリウムの屋根って15年ほどで塗装が必要になりますが、屋根に太陽光パネルが載っていると、一旦外さなければなりません。
太陽光パネルは20~30年大丈夫そうですが、その前に屋根の塗装時期が発生します。
塗装のためにパネルを外し、塗装したらまたパネルを設置。
このため塗装時には10万円以上余分に費用がかかることもあるようです。込み込みの値段で気づかないかもしれませんが。
⑤雨漏りのリスク
いまでは減ってきているようですが、施工不良による雨漏りのリスクもあります。
格安を謳っている会社は、耐久性の低いコーキング材を使ったり、工程を省いたりしています。
まぁ、やる作業が増えれば、不具合の確率が上がるのは当然のこと。
心配するようならやらない方がいいかな。
⑥地震発生時のリスク
瓦の屋根はその重さのため耐震性に影響がありますが、同じように太陽光パネルも数百キロの重さがあり、耐震性に影響があります。
太陽光パネルを載せても問題がないように構造計算しているはずですが、これも太陽光パネルを載せるより載せない方がいいに決まっています。
わざわざ載せなくてもいいよね。
地震、台風、竜巻によってパネルが飛んで隣家に被害を与えたら大変です。
これも可能性があるのであって、気にするレベルではないと思いますが。
⑦そもそもエコかどうか疑問
太陽光パネルを製造するのに、どの程度枯渇性エネルギーを使用しているか。二酸化炭素いっぱい出しているんじゃないの?と思ったことありませんか。
いずれは処分するとき、そのパネルはどうなるか。不法投棄や埋め立てに回っちゃわないよね。
建築士はこう考える
さて、ここまでは”のり”の意見でしたが、Reborn(リボーン)の建築士Sさんも太陽光発電にはちょっと否定的な意見を持っています。
みんなが補助金、売電収入を目当てに太陽光発電をやった結果がどうか・・・原子力発電の停止も重なって電気代が上がってしまった。
電力会社が高い価格で電力を買い取ったら、それは一般消費者全体に負荷がかかるとのこと。
お金を掛けるなら断熱性能を上げることに回した方が地球全体にとってはエコなんじゃないかと。
もちろん、施主が希望すれば太陽光パネルも載せることもあるし、断熱職人の進める付加断熱とセットでゼロエネ住宅の設計をおこなうこともあるようです。
今後電気代はどこまで上がるんでしょうね。
ということで、”のり”の家は太陽光発電をしないことに決めました。
もう10年くらいすれば、補助金なんかに頼らなくてもいい本当にエコな発電効率の高いシステムができるかもしれません。そうなったら自家用に導入したいです。