こんにちは”のり”です。
今日家に帰ると、
速報2018新ZEHスタート!!
環境省参入で、補助金制度にあらたな動きが!
という案内が某大手ハウスメーカーから届いていました。
補助金っていうと気になりますね。
さて、この補助金で得する人、損する人は誰でしょうか?
ちょっと考えてみます。
環境省のホームページで確認
まず、補助金の内容を環境省のホームページで確認してみました。
すでに8月には平成30年度の概算要求の内容が公開されているようですね。これを「速報」と呼べるかどうか・・・。
①ZEH戸建建築支援
戸建て住宅において、ZEHの交付要件を満たす住宅を新築・改修する者に定額の補助を行う。
② 低炭素化素材及び先進的な再エネ熱利用技術活用に対する支援
ZEHの要件を満たす住宅に、低炭素化に資する素材(CLT、CNF)等を一定量以上使用し、又は先進的な再エネ熱利用技術を活用した戸建住宅を建築する際に定額の補助を行う。
③ ZEH集合住宅(分譲・賃貸)建築支援
分譲集合住宅及び賃貸集合住宅(一定規模以下)において、ZEH相当となるものを新築又は同基準を達成するように既築住宅を改修する場合に、追加的に必要となる費用の一部に定額補助を行う。
④蓄電池設置支援
①~③に加えて家庭用蓄電池を設置する際の設備費用・工事費用を別途支援する。
概算要求額は15億円
このほか、国交省の地域型グリーン化事業は135億円。
経産省の省エネ補助金等による中小企業等の工場の更なる省エネ化、住宅・ビルのゼロ・エネルギー化(ZEH・ZEB)に向けた補助【住宅・工場】は779億円もの概算要求額となっていました。
すごい金額ですね。
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補助金で得する人
ZEH住宅の施主
最初に思いつくのは、ZEH住宅の施主ですね。
補助金をもらえるんですから。
ただし、補助金額をまるまる得する訳ではありません。
ZEHにするためにHEMS、専用エアコンを導入したり、申請手数料がかかったり。
ハウスメーカーの宣伝文句では追加料金不要と謳っている業者もあります。
冒頭の大手ハウスメーカーの案内にも、
「グレードアップ費用が不要!」
とありますが、ちぃーーーーさく「別途申請料とHEMS・高効率エアコンなどの設置が必要です」と記載されています。
ZEH住宅を建設したハウスメーカー、工務店
ZEH住宅を建設するハウスメーカー、工務店も得をしますね。
ZEHをしない他社との差別化ができるし、ZEHの導入により一棟あたりの単価が上がり売り上げに貢献します。
太陽光発電の各メーカー
太陽光発電に関する機器を製造しているメーカーも、たくさんの人に買ってもらえるので得します。
太陽光パネル、パワコン、エアコン・・・。
天下り役人
補助金事業といえば天下り役人ですね。
〇〇機構というのを作り、そこに役人が天下り、2回目、3回目の退職金をもらっていく。
補助金で損する人
ZEH住宅を建てたのに補助金が受理されなかった人
ZEHの条件をクリアして、補助金申請しても、必ず受理されるわけではありません。
全申請に対して受理される割合は63%とのこと。
残りの37%の施主は高いお金を払ってZEHにしたにも関わらず、補助金を受け取っていない事実があったのです。
太陽光の売電により収入があるので、この人たちが実際に損をしたかどうかはわかりませんが、きっと感情的には損した気分になっているはずです。
国民
損をしているのはわれわれ大多数の国民です。
補助金の原資は、あなたが払った税金で賄われています。
さきほどの補助金(他、省エネ事業も含む)の概算要求額がグロスで約900億円。
これを現在の日本の人口1億2,700万人で割ると・・・一人当たり708円。
4人家族で2,834円。
安く感じますね。でも、塵も積もれば・・・。
2016年度にZEHの補助金が受理されたのが6,356軒、現在の日本の世帯数が5,700万世帯。
0.01%の世帯がこの補助金の恩恵を授かっていることになります。
ちょっとピンときませんね。
違う観点でみてみましょう。
2016年の新築住宅着工戸数(マンション含む)が100万軒弱。ほぼ同等の数だけ、新しく家を建てようとしていると思います。
それをベースに考えても年間6,356軒というのは、ほんのわずかな人たちだけ(0.6%)にわたっているという結果ですね。
まとめ
今回は、ZEHの補助金で得をする人、損をする人を考えて、いくつかの計算をしてみました(計算の妥当性は全然わかりません。間違っているかもしれないので注意)。
もっと税金をいいことに使えるんじゃないかと思いましたが、補助金を直接受け取っていないZEHに関わる多くの人たちにも雇用が生まれ良いことなのかもしれません。
税金の使い方、難しいですね。公平性が必ずしもいい結果ではないからね。